ホーム > 研究・調査・システム開発(2019年度) > 多面的QOL指標を含む科学的介護のデータベース構築
2019年度

多面的QOL指標を含む科学的介護のデータベース構築

研究者
石橋智昭・土屋瑠見子・二宮彩子
共同研究者
池上直己(聖路加国際大学), 高野龍昭(東洋大学), 五十嵐歩(東京大学) , 小野恵子,阿部詠子(順天堂大学),早尾弘子
研究期間
2019〜2021年
研究概要

これまでの研究において、インターライ方式に基づくアセスメントデータを用いて介護QIを算出し、介護の質を可視化する技術基盤を確立できた。

国は、「科学的介護サービス」を推進するための大規模データベースの構築を準備中であるが、要介護度やADL、認知機能障害度等が評価の中心となっており、介護現場からは「高齢者のQOLを多面的に捉える視点がかけている」との声が強い。

一方、我々が構築したインターライ方式のデータベースは対象者の身体機能だけでなく居住環境や本人の意欲、社会活動状況などを含む包括的なデータで構成されており、多面的にQOLを捉える指標を含んでいる。ただし、そこには「提供された介護サービス」の情報が不足していたため「どのような介護サービスが有効なのか」に言及することはできなかった。

そこで、本研究では行政主導での大規模データベースでは困難な「多面的なQOL指標」や「効果的な介護に関する精緻なエビデンス」を介護現場とともに発信することを目的に、3年計画で「詳細なアセスメントデータ」と「提供された介護サービス内容」を接合した新たなデータベースの構築に取り組むこととする。

関連する成果

[論文]

  • Ayumi Igarashi, Tomoaki Ishibashi, Tomohiro Shinozaki, Noriko Yamamoto-Mitani: Combinations of long-term care insurance services and associated factors in Japan: a classification tree model, BMC Health Services Research 2014, 14:381 (10 September 2014).

[学会]

  • 石橋智昭・土屋瑠見子・小野恵子・池上直己:「『参加』を定量的に評価するためのアウトカム指標の検討;介護保険施設での試行」第77回日本公衆衛生学会総会(2018/10/24-26、福島県)
  • 土屋瑠見子・石橋智昭・小野恵子・池上直己:「介護保険施設入所者の活動・参加と生活満足度との関連―国際生活機能分類による検討―」第77回日本公衆衛生学会総会(2018/10/24-26、福島県)
  • Naoki Ikegami, Tomoaki Ishibashi:Evaluating the quality of Japanese home care planning agencies by the interRAI quality indicators. The 21th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics (2017/7)
  • 高野龍昭・石橋智昭・牧野ひろこ・阿部詠子・小野恵子・池上直己:アウトカム指標に基づくサービスの質の評価 (1);厚労省による「移動」の指標を用いた実証研究.日本ケアマネジメント学会第16回研究大会 (2017/6)
  • 石橋智昭・高野龍昭・牧野ひろこ・阿部詠子・小野恵子・池上直己:アウトカム指標に基づくサービスの質の評価 (2);事業所間比較に有用な指標の検討.日本ケアマネジメント学会第16回研究大会 (2017/6)
  • 阿部詠子・石橋智昭:介護老人保健施設入所者の個別性理解を促すアセスメント活用の妥当性;模擬事例とケアプラン点検支援マニュアルによるインターライ方式ケアアセスメントの検証.日本ケアマネジメント学会第16回研究大会 (2017/6)
  • 石橋智昭・牧野ひろこ・池上直己:ケアの質を改善する介護QI(1);事業所の質の可視化への有用性検討. 第75回日本公衆衛生学会総会(2016/10)
  • 牧野ひろこ・石橋智昭・池上直己:ケアの質を改善する介護QI(2);ケアプラン見直しに対する有用性検討.第75回日本公衆衛生学会総会(2016/10)
  • 池上直己・五十嵐歩・石橋智昭:介護におけるインターライ方式のアセスメントデータの活用(1);管理者を対象とした尺度による利用者特性の把握と質の評価. 第54回日本医療・病院管理学会学術総会(2016/09)
  • 石橋智昭・五十嵐歩・池上直己:介護におけるインターライ方式のアセスメントデータの活用(2);ケアマネジャーに対する質指標のフィードバックとケアプランの見直し. 第54回日本医療・病院管理学会学術総会(2016/09)
  • 牧野ひろこ・池上直己・石橋智昭:ケアの質の改善に対するQIの有用性検討:ケアプラン見直し試行の結果について. 日本ケアマネジメント学会第15回研究大会(2016/06)

[寄稿等]

  • 厚生労働科学研究費補助金「高齢者介護サービスの質の包括的評価に関する研究」総合研究報告書(2016年3月)
  • 石橋智昭・池上直己・天野貴史・高野龍昭:インターライ方式への挑戦,『シルバー新報』(2014年6月号〜7月号[5回連載]),環境新聞社,東京
  • 石橋智昭:特集「介護の質の向上とアウトカム評価」;介護QIでサービスの質の向上を.シルバー産業新聞2014年10月10日号,(株)シルバー産業新聞,大阪府

担当者:石橋 智昭(いしばし ともあき)研究員のご紹介ページへresearchmapへ別ウィンドウで開く

(公財)ダイヤ高齢社会研究財団 研究部長/主席研究員

担当者:土屋 瑠見子(つちや るみこ)研究員のご紹介ページへresearchmapへ別ウィンドウで開く

(公財)ダイヤ高齢社会研究財団 主任研究員

ダイヤ財団の研究報告書や刊行物について

ダイヤ財団では高齢社会における「健康」「生きがい」等の諸問題について調査・研究活動を学会報告するとともに、主なものを研究報告書として発表しています。また、「ダイヤニュース」や「ダイヤ財団新書」などの財団刊行物をご希望の方は、下記までお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

電話番号03-5919-1631受付時間:平日9時30分〜16時30分